「タイムラプス撮影や長時間露光撮影をしてみたい!」
ということで、この3連休を使ってCanonのタイマーレリーズをマイコンで自作してみました。前々から作ってみようと考えていたので、パーツ類は既に揃っていて、あとは手を動かすだけの状態でした。
レリーズってなに?
レリーズというのは、カメラに繋げてシャッターを押すためのリモコンの様なものです。三脚を使って撮影をする場合でも、暗い場所ではシャッター速度が長くなり、直接カメラに触れてシャッターを切るとブレが生じてしまいます。レリーズを使う事で、このブレを防ぐことができます。
Canon純正レリーズ
今回作ったのは、「タイマー付きのレリーズ」です。タイマーが付くことで、人間がシャッターを押さなくても数秒おきに繰り返し撮影し続けたりすることができます。(インターバル撮影と言います。)
Canonの純正品にもタイマー付きのものはありますが、これは上級機のみにしか対応していません…(一応この様なサードパーティーのものはあります。)
自分で作ってしまえ!
サードパーティーのものもありますが、「こんなもん作っちまえ!」と思い自分で作ってみることにしましたw(パーツ代と手間を考えると値段としては大して代わらないかも…というのは置いといて)
上級機未満のレリーズの仕組みは単純です。0Vと半押し,全押しの3本の信号線があり、それぞれを0Vとショートさせればシャッターを切ることができます。
カメラとの接続は特殊なコネクタではなく、下図の極小標準ミニプラグのコネクタなので簡単に接続できてしまいます。あとは、マイコンで制御するだけです。
このコネクタを使用:http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-05750/
ケーブルはこのワイヤー3本を編み込んで作りました:http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-06756/
作業開始
卒研室で…w
実は、前日まで別の作業をしようと思っていたのですが、気が変わって急にタイマーレリーズを作り始めました←
まずは実験から
実は、回路系の経験はほとんどありません。かろうじて簡単なデジタル回路が作れるかな?ぐらいです。頭の中で、「こんな回路でうごくんじゃね?」程度にしか考えていなかったので、まずは実験からです。
マイコンで制御するので、信号線のショートをトランジスタでスイッチングさせています。その実験の様子。想定通り動いてくれました。
キャラクタLCDも授業で使ったことはあるものの、自分でマイコンにつないで使ったことは無かったので、とりあえず実験。
Arduinoには、キャラクタLCDのライブラリがあるのであっけなくできてしまいます。
使用したキャラクタLCD:http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-02801/
回路が完成
朝から夕方まで、だいたい8時間ぐらいで回路まで完成しました。夢中で作業していたので、あっという間でした。
制御にはAVRマイコンを使っていますが、中身にはArduinoのブートローダが書き込んでありArduinoとして利用しています。
Arduino Duemilanoveタイプの互換です。(古いですが…)
参考サイト:http://robo.mydns.jp/Lecture/index.php?Arduino%2FArduino%20%A4%CE%BC%AB%BA%EE%2FDuemilanoveTYPE
回路図も書かずにユニバーサル基板に部品をどんどん置いて、ハンダ付けしながら配線を考えていましたw
そんな適当な作り方で回路が一発で動いたので、一人ではしゃいでいました。
プログラムを書いて完成
3連休初日に回路ができたのですが、日曜日はモチベーションが下がったので、月曜日にプログラムを書きました。設定メニューを作るのが面倒だった…
ソースコードはこちら:https://gist.github.com/falcon8823/fee7eb99fb64ac511bd8
動作の様子はこちらの動画で。インターバル5秒、繰り返し3回、露出2秒に設定して動作させた様子です。(分かりにくいですが…)
合計の作業時間としては、だいたい1日半ぐらいで完成しました。(まだ、ケースや電池周りが無いので完成とは言いがたいですがw)
突発的に湧いた創作意欲から、勢いで何か作るって楽しいですね。社会人とかになっても、こういう時間はちゃんと確保したいな…
これから、これを使ってタイムラプス撮影などに挑戦してみたいと思います!
良い三連休でした。
11/4追記
このタイマーレリーズを使って簡単な撮影をしてみました。
20秒おきに撮影したコマ画像をつなぎ合わせて動画にしました。
1/9追記
新たにこのタイマーレリーズでインターバル撮影したタイムラプス動画を作ってみました。